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Stephan Zarlenga (1941 – 2017) 著
<aside> 💡 The Lost Science Of Money(2002)
</aside>
を読んでいくページです。
当分は「未完」です。
原文ソース(Internet Archive のページよりダウンロードしたもの)
ABOUT THE AUTHOR
American Monetary Institute のサイト、https://monetary.org/ から引用し、AI翻訳をつけます)
Stephen Zarlenga draws on 35 years of experience in the world of finance, securities, insurance, mutual funds, real estate, and futures trading. He has published 20 books on money, banking, politics and philosophy (including The Anglo American Establishment, by Prof. Carrol Quigley). While in his mid 20s he incorporated the Athenian branch of an English life insurance company, earlier opening several European markets for the parent firm, IOS. ステファン・ザーレンガは、金融、証券、保険、ミューチュアルファンド、不動産、および先物取引の世界で35年の経験を積んでいます。彼はお金、銀行業務、政治、哲学に関する20冊の本を出版しており(キャロル・クイグリー教授の『The Anglo American Establishment』を含む)、20代半ばでイギリスの生命保険会社のアテネ支社を設立し、以前には親会社であるIOSのためにいくつかのヨーロッパ市場を開拓しました。
A few years later he built the U.S. distribution network of the then leading American mutual fund concentrating in gold shares. As a member of the New York Futures Exchange (a subsidiary of the New York Stock Exchange) he specialized in trading the complex CRB futures index for several years. 数年後、彼は当時のアメリカの主要な投資信託であるゴールドシェアに集中するアメリカの流通ネットワークを築き上げました。ニューヨーク商品先物取引所(ニューヨーク証券取引所の子会社)のメンバーとして、彼は数年間、複雑なCRB先物指数の取引を専門としました。
Thus the author is more than familiar with both the practical and theoretical sides of our market economy. And yet he calls into question and challenges the basis, and Achilles’ heel, of American Capitalism: the private control and resulting misdirection of the nation’s monetary system. このようにして、著者は市場経済の実践的および理論的側面の両方に精通しています。それにもかかわらず、彼はアメリカ資本主義の基盤とアキレス腱である国家の金融システムの私的管理とそれに伴う誤った方向性を問いただし、挑戦しています。
Stephen Zarlenga holds a degree in Psychology from the University of Chicago (and has done postgraduate work at NYU), where he was in the final graduating class under the revered Hutchins’ curriculum which focused on critical reading and thought. This training, combined with his work experience, and years of research, enabled him to re-formulate the Lost Science of Money. ステファン・ザーレンガは、シカゴ大学で心理学の学位を取得し(NYUで大学院教育を受けた)、批判的読解と思考に重点を置いた尊敬されるハッチンズカリキュラムの最後の卒業生として卒業しました。この訓練と彼の仕事経験、長年の研究が組み合わさって、彼は**「失われた貨幣の科学」**を再構築することができました。
The author began focused research on the money problem in 1991, eventually drawing on over 800 monetary source books and materials to formulate this thesis. In 1996, he helped establish the American Monetary Institute to further the research. In 1999, Conzett Verlag of Zurich, Switzerland translated and published the work in German. This expanded English version released in 2002, establishes the author as a leading voice in the field of monetary history, theory and reform. 著者は1991年に貨幣問題に関する集中的な研究を開始し、最終的に800以上の貨幣に関する資料を基にこの論文を形成しました。1996年にはアメリカ貨幣研究所を設立し、研究をさらに進めました。1999年にはスイスのチューリッヒにあるコンゼット出版がこの研究をドイツ語に翻訳して出版しました。この拡張版の英語版は2002年にリリースされ、著者は貨幣の歴史、理論、および改革の分野で主要な声として確立されました。
裏表紙から。同じくAL翻訳を付けます。
“The Lost Science of Money traces the money power through three and a half millennia from barter to the Euro. It draws fascinating, previously lost monetary principles from ancient Greece and Rome, from the experience of the Moslems, Venice, the Templars, the Jews, the Bank of Amsterdam and Bank of England, and the Federal Reserve System. The Lost Science of Money shows that the question of usury is far from settled, and that monetary reform is more a matter of morality and law than of economics. It demonstrates that a good money system must be based in law, not in commodities, and defines the essential elements needed to remove structural injustice from our money system.”
『The Lost Science of Money』は、物々交換からユーロまでの3,500年間にわたる貨幣権力の歴史を追跡しています。古代ギリシャやローマ、イスラム世界、ヴェネツィア、テンプル騎士団、ユダヤ人、アムステルダム銀行やイングランド銀行、そして連邦準備制度から、これまで失われていた興味深い貨幣の原理を引き出しています。『The Lost Science of Money』は、利子問題が決して解決されていないことを示し、貨幣改革が経済学よりも道徳や法律の問題であることを強調しています。良い貨幣システムは商品でなく法律に基づくべきであり、私たちの貨幣システムから構造的不正を取り除くために必要な本質的要素を定義します。
MMTに関心を持つワタクシ(nyun)が著者およびこの本の存在を知ったのは、ごく最近の2024年5月のこと。
読んでいた山口薫・山口陽恵「公共貨幣入門」(集英社)の第三章「MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽」で、この本および著者ザーレンガについて語れていたのです。
当該箇所を引用します。。
シカゴ大学は、国際銀行家ジョン・ロックフェラーが設立した銀行家擁護の自由主義・市場原理主義の牙城であった。創立者のロックフェラーの趣旨に盾突くことになるシカゴプランの提案は、同大学の8名の経済学者にとって想像を絶するプレッシャーとなったにちがいない。事実、その中心人物の一人であるヘンリー・サイモンズ教授(1899~1946)は46歳の若さで死因不明の不慮の死(自殺?)を遂げている。しかしながら、彼らは「シカゴプランの銀行改革は自由主義・市場原理主義の原則とも論理的に全く矛盾しない」という研究者としての矜恃を堅持した。当時院生として彼らから直接学んだミルトン・フリードマンもシカゴプランに賛同していた。このシカゴプランは1933年にルーズベルト大統領に密かに手渡されたが、国際銀行家を恐れる大統領はこれを無視し、その代わりにグラス・スティーガル法という、骨抜きの銀行規制法を制定させた。第2章で論じたように新自由主義による金融自由化の嵐の中で、この法律も1999年にクリントン大統領によって廃止された。 シカゴプランを受け取った当時米国一流の経済学者アーヴィング・フィッシャーは、即座にこの提案の正しさを理解し、その2年後の1935年に『100%マネー』を出版して、貨幣改革の重要性を訴えた。フィッシャーはシュンペーターの未完の内生的信用創造の貨幣理論を完成させたといってもよいだろう。さらに1939年には、フィッシャーは5名の経済学者との連名で『貨幣改革のプログラム』という小冊子を書き上げ、貨幣改革を全米の経済学者に提案。86%の経済学者がこれに賛同したにもかかわらず、このプログラムも無視され、その後の経済学ではシカゴプランや貨幣改革のプログラムは一切無視され、タブー視されてきた。これに触れる研究者は米国の大学から追放されることになった。
2002年に大著『失われた貨幣の科学』(Zarlenga2002a)を出版した在野の経済歴史学者のステファン・ザーレンガは、その第24章「米国貨幣改革の提案」で、1929年の世界大恐慌以後、経済学でタブー視され、忘れ去られていたシカゴプランやフィッシャーの100%マネーの貨幣改革案を蘇生させた。そして米国貨幣研究所(AMI)を設立し、先人による貨幣改革の意志を受け継ぎ、2005年から毎年シカゴで貨幣改革の国際会議を開催してきた。この会議を中心に米国貨幣改革グループはシカゴプランや100%マネーの現代版「米国貨幣法」の素案を作成し、米国議会でシカゴプランの現代版として成立させようと活動していた。米国貨幣法の骨子は以下の3点である。
・連邦準備制度(FRB)を財務省と統合。 ・部分準備制度のもとでの銀行による無からの貨幣創造を廃止。 ・政府が成長・福祉のために必要な貨幣を供給。
たまたまこの米国貨幣法の提案をネットで知った筆者(K)も、フィッシャーと同様、即座にこの提案の正しさを理解した。